ピアノを移動する前や後に、なぜ調律が必要なのか?


以前、ピアノを移動させるときは、その前後で調律をしたほうが良いというコラムを書きました。

参考 : ピアノ運送するときの調律に関する注意点とは?

ピアノの搬送や移動をするとき、ほとんどの場合に必要なのが、ピアノの調律です。
今回はピアノの移動と調律の関係について、お伝えしていきます。

ピアノ移動と調律はとても密接に関係している

一般的にピアノ調律の頻度は、1年間に1回といわれています。電子ピアノに調律は必要ありませんが、グランドピアノやアップライトには必須で、ピアノ教室の先生や音大生など「毎日ピアノを弾く人のピアノ」は、半年に1回は調律をしたほうがよいといわれています。
あまりピアノを触らない人でも、調律は必要です。ヤマハやカワイはもちろん、スタインウェイのような高級メーカーにおいても「調律が不要なグランドピアノ」というものは存在しません。デリケートな楽器であるピアノは、車や家具と同じように、ずっと使っていないと状態は悪くなっていってしまうのです。
運送業者がピアノを移動させるときは、1~2年分の調律の狂いがあるかないか、という部分で調律の判断をする場合が多いです。ピアノの移動後、運送業者が試し弾きをするのは「どれくらい調律が狂ってしまったか」を確認するためです。また、ピアノ運送業者が調律師に依頼するケースもあります。これは”ピアノ運送業者では分からなかったが、調律師に聞いたら狂っていた”、というケースがあるからです。定期的に調律をしているかたは、ピアノ運送後の調律の狂いを気にするだけで大丈夫です。しかし、あまりピアノを弾かない、または何年も触っていないという方は、すでに調律が狂っている可能性が高いので、ピアノの移動前に業者に調律依頼をしましょう。

参考 : ピアノ運送後の調律の[ベストタイミング]

また、調律だけでなく

  • インシュレーターが悪くなっている
  • 内部の弦が錆びている
  • 内部にカビが生えている
  • ハンマー部分が磨耗している

といった、ピアノの部品や器具にボロがでている可能性も高いです。上記の場合ですと、インシュレーターは自分で交換可能ですが、それ以外は自分での修理や対応は難しいです。ピアノ内部の修理は、クリーニングになりますが、ピアノ運送業者は運送・調律・クリーニング・保管など、一通り対応可能な業者が多いため、すべて合わせた作業依頼も可能です。しかし、すべて依頼してしまうと、料金はどんどん高くなっていきます。ピアノ引越し業者も、必要以上に営業してくる場合もあるので、見積もり時は、運送費用が相場より高くならないよう、上手に交渉しましょう。

参考 : ピアノ運送の料金相場と安く引越しする方法

 

ピアノを室内で移動させる

室内のピアノ移動を自分でやるのは避けたほうがよいというコラムを以前書きましたが、部屋から部屋へピアノを移動するときは

  • パネルを分解にして、ピアノを縦にする。そして、側面に台車を付けて運ぶ
  • 移動用インシュレーターを使う

という、ピアノ移動器具を使った運搬方法になります。ピアノは大きな楽器ですので、縦にしないとドアを通れない場合が多いです。そのまま移動できる場合は、移動用のインシュレーターで対応します。例えば、大きな部屋の模様替えによる移動で、ドアを使わないときなどです。室内の電子ピアノ移動などは、作業員ひとりだけで専用ジャッキなどの用具を使って対応する場合もありますが、やはり運送業者の作業員としては2人ほしいところですね。

また、ピアノ移動の前後に関わらず、ピアノを置く部屋の湿度には注意しましょう。湿度が高過ぎたり、低過ぎたりすると、カビや結露が発生します。調律は狂ってしまい、ピアノの内部や部品にも悪い影響を与えてしまいます。家の湿度は50%前後がよいといわれていますが、季節要因もありますので、夏場は除湿、冬場は加湿をしながら、良い湿度を保ちましょう。

>>ピアノ運送料金を安くする方法はコチラ

SNSでもご購読できます。