移動式クレーン(いどうしきくれーん)


ピアノ運送用語集

移動式クレーンとは

目的地まで輸送する事はともかく、その場所で荷役作業(貨物を積んだり降ろしたりする作業)をしようとした場合、人の力では少々困難な重量ではあるが大きな重機を使用する程でもない場合、また、大きな重機の進入が不可能な場合などに、その力を発揮するのが移動式クレーンです。この機材は、トラックのシャーシや荷台に据え付けられ、荷物を輸送する時はトラック、荷役作業を行う時は重機の代わりとして使用されます。

構造としては本体部分と荷物を吊り上げるために伸びたブーム、ブームの先端からワイヤによって吊られたフック、そして車体の安定度を増すためのアウトリガ-部分毎に分かれています。独立したレバーでそれぞれを操作し、荷物を吊り上げる構造となっています。

また、てこの原理を応用しているために比較的重厚な構造となっている車輌エンジン部分の反対側(荷台側)では、より大きな吊り上げ荷重を持っています。荷台に積み込まれた重量物に対しての荷役作業には適した構造となりますが、車輌前方では非力となってしまいます。よって、車体前方に置かれた荷物を荷台に積み込む際には、一層の注意が必要となります。

お役立ち情報

この移動式クレーンを操作する場合、運転免許証とは異なるいくつかの資格が必要となります。移動式クレーンの基本操作、構造、危険性を知るための[移動式クレーン運転士]の資格。荷物の重量や重心を見極め、ワイヤを掛ける知識を学ぶ[玉掛け]の資格です。この2つの資格を備えた作業員でなければ移動式クレーンの操作はできないのです。なぜなら、機材の操作が非常に危険を伴い、一歩間違えれば車輌の転倒や吊り上げた荷物の落下といった、重大な災害や大事故を巻き起こす可能性があるためです。

実際、過去にも定格総荷重以上の荷物を吊り上げた事により、ブームの破損や使用しているワイヤ破断による荷物落下などの事故が起こりました。また、荷物を吊り上げたままの旋回による車体の横転、アウトリガの設置面が沈んだことによる転倒など、いくつもの重大な事故も起こりました。

車搭載式の移動式クレーンは、まずは使用方法をしっかりと守り、地盤の強度や安定性を見極めることが大切です。更には吊り上げる荷物の重量確認や、重心に応じた材料を用いて水平に吊り上げる操作技術も重要です。そして、旋回などの難しい操作を行う時には、更に慎重に荷物と車輌状況に注意を払い、安全に作業を遂行する。移動式クレーンは重大な事故や災害が決して起こらない様、基本動作の徹底を守ることが非常に重要なのです。

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