積載荷重(せきさいかじゅう)


ピアノ運送用語集

積載荷重とは

ピアノは代表的な重量物で、運送するには専門的な技術を必要とします。また、設置場所にも注意しなければなりません。各ピアノの重量はアップライトピアノで200~300kg、グランドピアノでは300~400kgにもなります。それ程の重さを、アップライトピアノの場合は4個のキャスターで、グランドピアノの場合は3本の細い脚で支えなければなりません。

当然ながら、置く場所の床に非常に大きな負担が掛かります。建物によってはピアノの重さに耐え切れず、床が抜けてしまったりする恐れがあります。建築基準法施行令では建物の種類別に床が耐えなければならない最低の重さが定められており、これを積載荷重と呼びます。

住宅の居室であれば、1平方mあたり1800N(=約180kg)とされています。公共建築物や駐車場などは、もっと大きな数字になります。住宅を建てるときには、この重さに耐えられるよう設計をしなければなりません。一般的な鉄骨鉄筋コンクリートのマンションであれば、ピアノの重さにも耐える場合が多いといえますが、築年数の経過した木造住宅の2階などにピアノを搬入するときは、補強工事が必要になる場合もあります。

お役立ち情報

積載荷重は住宅の平均的な使用を考慮して算出されていますが、万全というわけではありません。
たとえば本棚に何百冊もの本を並べたり、大きな水槽を設置したりすると、床が耐えられる強度をオーバーする可能性があります。ピアノもこれと同じで、大丈夫だと思っていると思わぬ事故を起こす場合があります。部屋にはピアノだけを置くわけではなく、他の家具や人の重さも加わります。

壁際なら比較的、床も頑丈ですが、部屋の中央部は直下に柱や壁がありませんので、大きな重量に耐えにくいのが普通です。グランドピアノは向かって右の前足に最も大きな荷重が掛かります。床の強度が弱い部分に負担をかけない様、置き場所に工夫が必要です。

また積載荷重は地震や台風などの自然災害を計算に入れていません。特にアップライトピアノは、重心が高い位置にあるため倒れやすく、もし倒れてしまった場合は一時的に2倍の荷重が掛かるので大変危険です。こうしたことから、ピアノの設置場所については事前にしっかりと調査や確認をし、必要に応じては床面の補強を行なわなければなりません。ピアノ運送を専門とする業者なら、知識や経験が豊富ですので、搬入先の部屋が心配なときは相談してみると良いでしょう。

建築基準法85条

建築基準法とは行政法のひとつ。積載荷重については第85条に表記してあります。以下、詳細です。

第85条 積載荷重
1、建築物の各部の積載荷重は、当該建築物の実況に応じて計算しなければならない。
2、柱又は基礎の垂直荷重による圧縮力を計算する場合においては、数値は、
そのささえる床の数に応じて、これに表の数値を乗じた数値まで減らすことができる。ただし、同項の表の(五)に掲げる室の床の積載荷重については、この限りでない。
3 倉庫業を営む倉庫における床の積載荷重は、第1項の規定によつて実況に応じて計算した数値が1m2につき3,900N未満の場合においても、3,900Nとしなければならない。
(引用:e-Gov 建築基準法施行令 )

上記は表を省いて引用しております、ご了承ください。このように積載荷重は重さだけでなく、それに
順じた床の数も定められています。また、住居のタイプも通常住以外に事務室、教室、映画館、
廊下、屋上などといった具合に細かく分けられており、積載荷重も変わっていきます。

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